授業紹介「素材・造形2」

learn 2018.11.29
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後期の授業が始まり2ヶ月が経ちました。
今回はプロダクトデザイン学科の授業風景を簡単にご紹介いたします。
 
こちらは1年生後期「素材・造形2」という演習授業です。
木材、金属、プラスチックの特性を理解し加工技術を習得しながら、
各素材を使用した”実際に使用できる作品制作”を通して造形力を養います。
1年生は3つのグループに分かれ、それぞれ5週間でひとつの課題を順番に制作していきます。
 
木材「木製カトラリー」
カトラリーとは食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどの総称です。
今年は山桜という木材を削って、スプーンとフォークを制作します。
 
まずは木材に型紙を当てて罫書き線を描いていきます。

その後、罫書き線に沿ってバンドソーと呼ばれる帯状の自動ノコギリで切断し、
細かな部分は小刀や彫刻刀でかたちを整えていきます。
理想のかたちに近づくまで、この作業を何度も何度も繰り返していくのです。


小刀で木材を削っていると精神統一にもなるんだとか…?

やすりがけで最後の微調整。まさに真剣そのものです。
この後は仕上げにオイルフィニッシュをして完成です!

 
金属「ステンレス棒と電飾シートによる照明」
ステンレス棒を溶接して骨組みを作り、電飾シートによるシェードを被せた照明を制作します。
1年生は夏休みにアーク溶接の資格講習を受講しているので、溶接加工はバッチリです!
(アーク溶接とは、空気中の放電現象を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接法です。)
 
まずはデザインに沿った長さにステンレス棒を切断します。

マスクと革手袋を装着し、いざ溶接!
初めの頃はバチバチ散る火花に腰が引けていたようですが、今ではすっかり慣れた手つきです。

溶接ができたら明るい場所で仕上がりのチェック。
焦げ跡が残る接合部は、綺麗に研磨していきます。

最後は電飾シートを被せて完成です!

 
プラスチック「真空成形によるトレイ」
石膏で作った型を元に、真空成型機でプラスチックのシートを加工してトレイを制作します。
(真空成型とは、加熱して柔らかくしたシートを型に合わせて真空吸引する成形法です。)
 
こちらの大きなマシンが真空成型機です。左にいるのは担当教員の三橋先生。

まずは成型の型となる石膏型を制作します。
1年生前期「素材・造形1」で既に石膏作品を制作したので、スムーズに作業を進めています。

先ほど作った石膏型とプラスチックのシートをセットし、準備完了。

それを上下の機構でサンドイッチのように挟みます。
機械の中では熱して柔らかくなったシートが石膏型に覆い被さり、真空吸引されています。

ものの数秒でプラスチックのシートが石膏型のかたちに成型されました!

ただし、油断すると穴が開いて失敗することもあります… 残念!

こちらは上手くいったようで満面の笑みです。
不要な部分はバンドソーでカットして断面をやすりがけしたら完成です!


プロダクトデザイン学科は普通科出身の学生が殆どですが、
1年生でものづくりの基礎をしっかり学べるので心配無用です!
 
1年生のみなさん、この調子でどんどん頑張っていきましょう!
 

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